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世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ

えー、長らくブログも書いておりませんでしたが、
気を三たびとりなおしまして、新たな気持ちで書いてみようと思います。
(この間のこまめなお仕事などは、fbの方にあげておりましたので、
興味のある方はそちらもどうぞ。中川 学(Gaku Nakagawa)です)

さて、特筆すべきはこの本のことでしょう。
『世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ』汐文社 くさばよしみ編、中川学絵
 


今、なんとアマゾンその他で絵本部門1位をキープ中(2015年3月25日現在)。
『はらぺこあおむし』『いないいないばあ』など抑えて、
まさか自分の手がけた絵本が1位になるときが来るとは、夢にも思いませんでした。
なぜ、こんなことが起こったか?

別に僕の絵がとびきりいいわけでもなく、
この本の内容が、まさに時代の求めるところにあったから、と思われます。
それと主人公のムヒカ大統領のお人柄かな。
なにせ、話題の多い方ですので、
半年ごと位にメディアで取り上げられて、
その度に本の注目度がUPするという。
今回の突然のランキングUPも例の「ヒッチハイク事件」
(詳しくは「ムヒカ大統領」「ヒッチハイク」で検索してください)で、
日本のワイドショーに取り上げられて、
ついでにこの本のこともご自身の口から紹介されて、
いっきに知れ渡った、という経緯があります。
ムヒカ大統領、ありがとうございます。



この本を手がけることになったきっかけは、
ブックデザイナーの鷺草デザイン:上野かおる氏より、
お声をかけていただいたから。
上野さんと、著者であるくさばよしみさんは昔からのご友人で、
くさばさんがムヒカ大統領の演説を日本の、特にこどもたちに知らせたい、
と思い立たれて、上野さんに声をかけ、僕にまわってきたというご縁なのです。
僕は、ネットでムヒカ大統領の講演の存在は知ってはいたのですが、
詳しい内容までは知らず、くさばさんの原稿を読んで心動かされて、
引き受けることにしました。
どういうところに魅かれたかというと、
「この大統領、『小欲知足』を語っている」という驚きでした。
『小欲知足』は仏教もしくは老荘思想のことば。
人間の不幸は、飽く事の無い欲望に身をまかせてしまうから生まれる、
という考え方です。
東洋的な考え方だと思っていたので、それがウルグアイの大統領から
発信されているという事実に衝撃を受けました。
当の東洋の大国たちの指導者から、今もっとも聞けない思想なのに。



この絵本の絵を描くにあたって、いろいろな資料をいただいたんですが、
その中にムヒカ大統領に取材した韓国メディアの映像が
YouTubeにUPされていました。
その大統領とは思えない家とか、車とか、
犬にエサをきたない冷蔵庫(失礼)から自分で出してやってるとことか、
大きなトラクターを自分で運転して畑にいくとか、
そんな質素な暮しぶりが映し出されていました。
ああ、こんな人がほんとにいるんだ、と思い、
この大統領の素顔を見たら、演説に説得力がつくなあ、と思って
冒頭に別だてで紹介しようと思いつきました。
取材に応じるムヒカ大統領は、そんなに愛想がいいわけでもないけど、
何かあたたかな存在感があって、そこから
絵本『さむがりやのサンタさん』を連想して、
ああいうマンガの形になったというワケです。
あまりみんな気づかないので、自分でネタばらし、しておきますね(^^)。

このムヒカ大統領の演説は、
これからの世界に必要な、というかそうでなければ人間の世は終わる、
というとっても大事なことが語られていると思います。
一人でも多くの子どもたちに知ってほしいし、読んでほしい。
ちなみに、うちの娘(中3)に読ませてみたら、
「私よりもまずは大人が読むべきだよ」と言われてしまいました。
こりゃ父さん一本とられたナ。


 
  • 2015.03.25 Wednesday
  • -
  • 14:12

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