朱日記 プロモーションビデオ

泉鏡花×中川学、第3弾「朱日記」
本日4月10日に無事刊行の運びとなりました。

さて、この「朱日記」、
いったいどんなお話なのか?
まずはプロモーションビデオをご覧ください。

アニメーション 青木香
音楽      山口智
日記文字    上田普
繪       中川学
  • 2015.04.10 Friday
  • -
  • 21:29

泉鏡花×中川学、第三弾。『朱日記』

「絵本 化鳥」から3年、
泉鏡花の短編に中川学が繪をつけた「文藝繪草子」第三弾が、刊行されます。
タイトルは、『朱日記』。


泉鏡花の作品としては、マイナーな部類で、
あまりご存知ない向きも多いかもしれませんが、
『龍潭譚』「化鳥』に負けない(と中川は思ってますが)
見所満載の知られざる名作です。
今回のお話は、火災と美少年と美しいお姉さんと魔物の物語。
勤勉で常識家の小学校教頭心得、雑所先生を狂言まわしに
古い城下町に次々と振りかかかる妖しい出来事を綴った幻想小説です。
挟み込みで、あとがきのような文章を書きましたので、
参考までに一部ここに掲載します。

『「朱日記」絵本化に際して考えたこと』

 「朱日記」は、僕の泉鏡花の小説絵本化三作めとなる。鏡花作品は、文体が難しいと思
われていたり、その幻想的内容で目くらましがかかっていたりして、わかりにくいかもし
れないけれど、時にとても現代的なテーマを有していると、僕は思っている。例えば先に
絵本化した「龍潭譚」は「ひきこもり」の問題に触れているように思うし、「化鳥」は「
母の呪縛」を幻想譚に昇華した作品だと思っている。この「朱日記」を絵本化したいと思
ったのも、現代に通じる、というよりも今だからこそわかるテーマを扱っている、と気づ
いたからだ。
 主人公、雑所先生は小学校の教頭補を勤める真面目で几帳面で分別のある紳士なのだが
植物採集にでかけた山の中で、城下町を襲う火災の前兆のようなものに遭遇してしまう。
以来予兆は次々と起こるのだが、近代人たる先生は、自分の直感を疑って、生徒たちを
避難させるのをためらうのだ。やがて予感は的中し、街は「城下の家の、寿命が来た」か
のような大火災に飲み込まれてしまう。
 そう「朱日記」は、「都市災害」と「身体感覚」というとても現代的なモチーフをテー
マにした作品なのだ。雑所先生が味わう火災が起こるまでの、落ち着かないイライラした
感じを、近く大災害が起こるかもしれないと言われている、現在の僕たちなら理解できる
と思うのだ。と、これだけならハリウッド映画の災害パニックものなどでもありそうだけ
れど、そこは鏡花先生、それだけでは終わらない。災害の理由が、どうも人智を超えたも
のたちの恋愛の縺れのようなのだ。
 物語の中盤、美しくも妖しい姐さんが美少年宮浜に、迫り来る火災の原因を語って聞か
せる。「私があるものに身を任せれば火は燃えません。そのものが思いの叶わない仇に」
「沢山の家も、人も、なくなるように面当てしますんだから」。大災厄の原因が、人外の
モノの色恋沙汰だなんて。わけがわからない。が、よく考えて見れば、地震も火災も原発
事故も、なぜそれが起こったのかは、実のところ人間の知り得るところではないのだ思う。
プレートがどうしたのという科学的メカニズムやら、初期対応の遅れ云々といった人間の
対処力不足で、災害の説明はなされるが、それは現象のほんの表層の説明でしかない。
なぜその災厄が人間界に降り掛かるかという問いには、人間はついに答えられない。東日
本大震災の際、某政治家が「罰があたった」と表現したけど、それさえ人間の驕慢だろう。
そんな人間の理解を超えた災害の原因を、鏡花先生は「人智の及ばぬものたちの色恋の縺
れ」と「見立て」たのだと思う。
 そして「殿方の生命は知らず、女の操というものは、人にも家にも代えられぬ。」とい
う、姐さんの見栄を切るかのような名台詞は、何か戦争に突き進む男性原理社会への批判
のようではないか。「朱日記」を読み味わうのに、今ほど適した時代はない。

泉鏡花の映像感覚にあふれた物語を、
103年のときを経て、
中川学が蘇らせます。

4月10日、国書刊行会より刊行。
  • 2015.04.09 Thursday
  • -
  • 15:38

世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ

えー、長らくブログも書いておりませんでしたが、
気を三たびとりなおしまして、新たな気持ちで書いてみようと思います。
(この間のこまめなお仕事などは、fbの方にあげておりましたので、
興味のある方はそちらもどうぞ。中川 学(Gaku Nakagawa)です)

さて、特筆すべきはこの本のことでしょう。
『世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ』汐文社 くさばよしみ編、中川学絵
 


今、なんとアマゾンその他で絵本部門1位をキープ中(2015年3月25日現在)。
『はらぺこあおむし』『いないいないばあ』など抑えて、
まさか自分の手がけた絵本が1位になるときが来るとは、夢にも思いませんでした。
なぜ、こんなことが起こったか?

別に僕の絵がとびきりいいわけでもなく、
この本の内容が、まさに時代の求めるところにあったから、と思われます。
それと主人公のムヒカ大統領のお人柄かな。
なにせ、話題の多い方ですので、
半年ごと位にメディアで取り上げられて、
その度に本の注目度がUPするという。
今回の突然のランキングUPも例の「ヒッチハイク事件」
(詳しくは「ムヒカ大統領」「ヒッチハイク」で検索してください)で、
日本のワイドショーに取り上げられて、
ついでにこの本のこともご自身の口から紹介されて、
いっきに知れ渡った、という経緯があります。
ムヒカ大統領、ありがとうございます。



この本を手がけることになったきっかけは、
ブックデザイナーの鷺草デザイン:上野かおる氏より、
お声をかけていただいたから。
上野さんと、著者であるくさばよしみさんは昔からのご友人で、
くさばさんがムヒカ大統領の演説を日本の、特にこどもたちに知らせたい、
と思い立たれて、上野さんに声をかけ、僕にまわってきたというご縁なのです。
僕は、ネットでムヒカ大統領の講演の存在は知ってはいたのですが、
詳しい内容までは知らず、くさばさんの原稿を読んで心動かされて、
引き受けることにしました。
どういうところに魅かれたかというと、
「この大統領、『小欲知足』を語っている」という驚きでした。
『小欲知足』は仏教もしくは老荘思想のことば。
人間の不幸は、飽く事の無い欲望に身をまかせてしまうから生まれる、
という考え方です。
東洋的な考え方だと思っていたので、それがウルグアイの大統領から
発信されているという事実に衝撃を受けました。
当の東洋の大国たちの指導者から、今もっとも聞けない思想なのに。



この絵本の絵を描くにあたって、いろいろな資料をいただいたんですが、
その中にムヒカ大統領に取材した韓国メディアの映像が
YouTubeにUPされていました。
その大統領とは思えない家とか、車とか、
犬にエサをきたない冷蔵庫(失礼)から自分で出してやってるとことか、
大きなトラクターを自分で運転して畑にいくとか、
そんな質素な暮しぶりが映し出されていました。
ああ、こんな人がほんとにいるんだ、と思い、
この大統領の素顔を見たら、演説に説得力がつくなあ、と思って
冒頭に別だてで紹介しようと思いつきました。
取材に応じるムヒカ大統領は、そんなに愛想がいいわけでもないけど、
何かあたたかな存在感があって、そこから
絵本『さむがりやのサンタさん』を連想して、
ああいうマンガの形になったというワケです。
あまりみんな気づかないので、自分でネタばらし、しておきますね(^^)。

このムヒカ大統領の演説は、
これからの世界に必要な、というかそうでなければ人間の世は終わる、
というとっても大事なことが語られていると思います。
一人でも多くの子どもたちに知ってほしいし、読んでほしい。
ちなみに、うちの娘(中3)に読ませてみたら、
「私よりもまずは大人が読むべきだよ」と言われてしまいました。
こりゃ父さん一本とられたナ。


 
  • 2015.03.25 Wednesday
  • -
  • 14:12

CD絵本 いのちの唄 鵺

音楽集団・鹿野苑のCD絵本
『鹿野苑語り唄 いのちの唄 鵺』の絵を担当させていただいております。

鹿野苑は
お坊さんでシンガーソングライターの
辻田昌次さん率いる音楽集団。

辻田さんは同じ浄土宗西山禅林寺派のお坊さんで、
山口の法界寺のご住職なのです。
ボブ・デュランや吉田拓郎に影響を受けたギターの弾き語りスタイルで、
法話と音楽活動をされている、ユニークなお坊さまです。
僕が言うのもなんですが、我が派は面白い活動をしているお坊さんが沢山いるなあ。
小さい宗派ですが。
まあ、真実は細部にやどるもんなんですね。とか言ってみる(^^)



表紙は唄う辻田さん。
『鹿野苑』というのは、お釈迦様が悟りを開いてからはじめて説法を行った場所。
そのときまだ人間はお釈迦様が悟ったことを信じなくて、
誰も説法を聞きにこなかった。
すると鹿の王とその一族の鹿たちだけが
お釈迦様のまわりで静かに聞き耳をたてはじめた。
その光景を見て、だんだん人間たちもお釈迦様のお話に関心をもちはじめる、
という逸話がある場所です。
仏教って、人間中心の教えじゃないんですよね。
辻田さんの唄に人間だけではなく、いろんな動物たちが集まってきている
そんな表紙にしてみました。



このCD絵本には、5つの唄と詩とその解説が納められています。
どれも、とてもあたたかい。
辻田さんの歩んで来た道程と思いがあふれています。
伍曲目のベネチアン・グラス、泣く人いると思う。
フォークと仏教、合いますね。

では少しだけ内容紹介。



お釈迦様の出家を唄った「四門出遊」。
そんな詩にどんな絵を当てようか悩んだけど、
渋谷の街を歩む若きお釈迦様を描いてみました。



もうひとつ、四曲目「いのち”愛”」。
これまた同じ宗派のお坊様、播州の大塚霊雲師の詩に
辻田さんが曲をつけました。
そして僕が絵を描いて、これこそ西山禅林寺派の事相教学の集大成(^^)
なんちゃって。



そして巻末にはもちろんCDを収納。
ぜひ聞きながら、詩を読みつつ、絵をながめてください。
こころが風邪をひいたときに、おすすめ(^^)
辻田さんはご自身のお寺・法界寺で定期的に
ライブ(法話と音楽の集い)をしてらっしゃいます。
山口近辺の方はぜひ足をお運びくださいね。

詳しくは鹿野苑HPにて
  • 2014.05.18 Sunday
  • -
  • 11:31

でたとこラヂオ/山口智特集!

このブログも久々ですが、
でたところラヂオもひさしぶりに収録いたしました(^^)

今回はでたとこラヂオの相方、山口智さんのミュージシャンとしての側面に迫ります。
と、言っても、のんびりですが(^^)
龍潭譚の楽曲や新しい曲など聞きながら、
智さんのルーツミュージックのお話から次のアルバムの構想へと話がすすみます。
山口智ファン必聴。
そして合間に飛び出す中川学の「展覧会卒業宣言」。
「WA-POP展は卒業展だった」という衝撃の事実も飛び出す、83分。

でたとこラヂオはコチラ!
 
  • 2014.05.07 Wednesday
  • -
  • 08:54